薔薇のために 吉田明美


 珍しく少女漫画。正直少女漫画は全くの守備範囲外なのでこの作品と作者が一般的にどのくらいの認知度をもっているのかは良く分からない。それが何故手元にあるかといえば、大学時代の同級生が引っ越すときに持っていた漫画を置いていったという経緯だ。

枕野ゆりは、たった一人の身内だった祖母が亡くなり、寮からも出て行かなければなくなり、途方に暮れていた。祖母が遺した一通の手紙から、実は母親が生きており、しかもTVや映画で活躍する女優花井しょう子だと知らされる。早速札幌にあるしょう子の自宅・花屋敷家に向かったゆりが出会ったのは、とても強烈で美形の3人の異父姉兄弟だった。by wikipedia

 ストーリー的には男性物には絶対無いぐらい人間関係が複雑でその中での恋愛を書いていくはなし。シチュエーション的にはかなり無茶苦茶なのだけれどキャラクターに引き込まれて行く感じだ。

 この漫画、うちに遊びに来る女性陣には大抵好評でみんな食い入るように読むんだよね。私も何度か読み返しているし悪くない作品だとは思うがやはり少女漫画ということで女性を引きつける何かがあるのだろう。

 作品の魅力は何だろうかと考えてみる。内容的に昼ドラに近いのでそういった隣の家庭をのぞき見るような感覚と所々にあるキャラクター同士の言葉のやりとりがとても魅力的なのかもしれない。こういったのは男性漫画にはないカタルシスだなぁと思う。もっと色々少女漫画も読んでみたいとは思うが流石にこの年で買いに行くのもどうかという話で(まぁそもそも漫画を買う行為自体5年前にきっぱりやめたんだけれど)それこそ誰かに借りて読むか、漫画喫茶になるんだが適当にとって当たりを引けるかというのも疑問だ。

 いわゆるもうすでに古典となりつつある、ガラスの仮面とかポーの一族とか王家の紋章とかは見てみたい。(ガラスの仮面は既読)バナナフィッシュとかもう一回読みたいな。