「たんぽぽ娘」

おとといは兎を見たわ。きのうは鹿、今日はあなた。

 sakusakuに進められて、そのまま積み上げられていたキャラメルボックスの公演を消化し始めた。一番最初にみたのは「雨と夢のあとに」だったのだけれど舞台に本当に引き込まれる。いま10作品以上手元にあるのだけれど、なかなか見るきっかけが無かった。

 部屋の模様替えで、テレビとPCを再びつないだことで大画面でこれで見られると思い、積み上げてある作品を消化しはじめた。先週は見たいと思って希望しておきながら、ダビングしてもらったあとも見損ねていた北村薫原作の「スキップ」、今週は以前にみた「クロノス」の続編「ミスダンデライオン」そして「ケンジ先生」をつづけてみた。

 あとからsakusakuと話していて気がついたのだけれど、正確にはクロノスの直接の続編は「いま君にあいたい」でそのあとに「ミスダンデライオン」となる。まぁこの順序が狂ってもザッピングのような作品なので、最初にクロノスさえ見ておけば問題ないようだ。

 ストーリー的にはクロノスジョウンターというタイムマシーンをめぐるストーリーなのだけれど、今回は過去に病気であこがれの人を亡くした女医がタイムマシーンにのって病気の特効薬を持って治しに行くというもの。クロノスがハッピーエンドといえるのか微妙だっただけに、この作品の終わりかたは本当に気持ちよいすっきりとしたハッピーエンドで嬉しい。

 昔から涙もろいので、こういった作品をみるとどうも泣けてきてしまう。未来にとばされるシーンなんかでは目頭があつくなってしまう。

 冒頭にあげた一文は、ダンデライオンの冒頭で幼少のころの女医と青年の間での「おはなし」としてとりあげられている作品だ。架空の作品なのかと思ったらロバート・F・ヤングという人のSF作品らしい。正直なところ私は訳本は基本的に読みにくくて嫌いなのだけれど、この一文は良い訳だなとおもう。言葉の感じが凄く良い。この作品を知っていれば、ダンデライオンのオチはもしかしたら予想できたのかもしれないなとふとおもう。

 この作品は1時間の短めの作品だったので、つづけて適当に選んで「ケンジ先生」を見る。未来の先生型アンドロイド「ケンジ先生」の話だ。ケンジ先生は宮沢賢治をモデルにつくられたということになっている。今まで見てきたキャラメルボックスの作品と違い、ZABADAKの曲をもとにミュージカル仕立てになっていた。

 歌われている曲が知っている曲ばかりというのはなかなか面白い。そして自分が曲を流し聞いていたということを思い知る。これって宮沢賢治を歌った曲だったのかと。新たな発見だった。

 sakusakuには是非一度生で見てくださいよと何度も進められている。大阪公演は比較的席は空いているので行くことは可能そうだ。私もどちらかというと色々と腰が重い方だけれど、生で一度見てみたいとは思う。