七本槍純米滋賀渡船6号生原酒中取り

 昨日ゲットしたお酒を開けてみました。

 今回飲んでみて思ったことは、酒蔵見学によって色々と日本酒の査定ベースが自分の中にできたようです。今まで漠然と感じていたものが、大分はっきり分かるようになってきました。

 特に、味と原因の因果関係について、もろみを飲み比べたことで精米度合いで味にどういう違いがでるか良くわかったのが大きいかも。今回のお酒は77%と殆ど精米されていない状態のものだったので余計にそれを感じた。

 実際、前回の見学で杜氏さんが仰っていたのは、精米する事自体はうま味を捨てることだということだ。これは私にとっては不思議な言葉だった。基本的に吟醸大吟醸になれば値段は当然上がるし、世の中では美味いものということになっている。しかし、うま味を捨てているという。これは矛盾に聞こえた。

 実際、もろみを飲み比べてみると、粗塩と精製塩に近い違いがあることが分かった。うま味とは極論的にいうと雑味ともいえる。良くも悪くも個性がでるのだ。大吟醸までいくと物凄く純度の高さを感じる。このあたりはもう好みの問題なんだと良くわかる。雑味は諸刃なのでへたをすると味が台無しになってしまう。後味の悪さにつながったりね。

 本題にもどして、今回の七本槍は結論から言うととても口に合った。美味しかったとのともまた違うのだ。スゲーウメーという台詞がでるわけではないのだけれど、もう少し飲みたいなぁと思うお酒だった。これは相当な褒め言葉だと思って欲しい。基本的に私は日本酒は美味しいとおもっても進まないことが多いから。

 大抵お猪口2杯も飲むと、満足というかこれ以上はちょっと美味しく飲めないと思ってしまうことが多い。今回のこれは初めて日本酒で、このままだと飲み過ぎるから止めようと地力でセーブした。というかそもそもお猪口一杯ずつゆっくり飲もうとおもったのが、もう一杯だけとか思っているうちに、瓶の1/3が無くなっていた次第だ。

 これは、私だけなのかもしれないが、日本酒は大抵飲んだ後に喉に少し何かが残るのだ。言い方が悪いかもしれないがカルピスを飲んだときの残るあの喉のいがらっぽさのようなものだ。それをこの酒は殆ど感じさせなかった。そういう意味でとても口に合う酒だった。

 味自体も、私が飲んだ感じだと絶妙な酸味があって面白い。とても良いバランスのお酒だなぁというのが印象だ。この酒米「滋賀渡船6号」がこういう特徴なのかもしれない。まぁなんにしろ富田酒造は良い仕事してると思う。

 しかし、どうでもいい話だけど、「七本鎗」が正式名称だけれど「七本槍」と書いていて直そうか思案していた、でも富田酒造のHPのTITLEが七本槍だったので、面倒くさいからまぁ良いかと思って止めた。