[小説]夏への扉 ロバート・A・ハインライン


SF祭り2冊目読了。評判が高いだけあってとても面白かった。というかこれを30年前に書いているのは本当に凄いな。全然古くささを感じさせない。

 私がSFに手を出すのに躊躇する原因であったカビ臭さを感じない。というよりもこれはSFっていうジャンルなのかなぁとふと思ったりもする。デジャビュ感があったのは以前に読んだことがあったのだろうか。流石にオチは途中で分かったけれど、読了後それが何ら問題にならないカタルシスを得た。

 この作品で飛ぶ先は2000年台なんだけれど、それがもう現代になっているところに、思ったより時代は進んだのかな、進まなかったのかなという別のなにかを感じる。北斗の拳のアニメで番組の頭に「199x年、地球は核の炎につつまれる」というイントロがあるのだけれど、あれを今見たときのような何ともいえない何かだ。

 何にしても、この作品は名作としてずっと読まれていくのだろう。そして、本の中の未来が、読者の中の過去になり続けていくのだろう。