3手の読み

 強くなりたいと漠然と思いながら、なかなか成果が出せていないわけです。詰め碁や棋譜並べの勉強法を続ければ地力は上がっていくのでしょうが、なかなか実行できていません。

 そういった普段の稽古もあるのですが、実戦での心構えを自分なりにどうしようか考えていました。勝ち負けもそうなのだけれど、対局そのものを楽しむためにはどうすれば良いかとちょっと悩んでいました。私はどちらかというと対局そのものよりも、本を読んだりするほうが楽しい性格なのでちょっと油断すると対局に間が空いてしまいます。

 ならけんがしばらく休止ということで、なかなか良い対局機会も無くなったわけですがそんな中でどうやって対局を楽しんでいくかという話です。

 そこで思いついたのが、古典的な格言である「3手の読み」です。これは対局するときに最低でも「自分の手」「相手の応手」「応手に対する自分の応手」の3手は最低考えなさいよというものだ。これは普段でもやっていることなのだけれど、これを拡大解釈して3手を2次元に展開してみる。

 具体的には、着手する場合は最低でも「3種類の手を3手読む」ようにしてみようかと。

 前回の記事で、経験について書いているときに気がついたのだけれど、実戦での試行錯誤をする際に今までの固定観念をいかに崩せるかは非常に重要だと思ったのです。定石などの一連の流を踏襲するとき、あまりその善悪を考えずに打っていることが多いので、当たり前は無い前提で無理にでも3種の手を考えてみるというのは有効かなぁと。

 局所的な視点から逃れるために、部分的にこの一手の場合でも手抜きなど考えられる選択肢は3種は間違いなくありそうな気がします。実際に対局時間との兼ね合いもあって色々難しいかもしれないけれど試す価値はあるかなぁと。

 あとこれは囲碁だけでなく、仕事の手順など決められたことの見直しにも有効な気がします。自分が当たり前だと思っているやり方を、他の方法で3種考えることというのは無駄にならんのでは無いかなぁと。

 こういったシミュレーションを繰り返す癖をつけておくと、不測の事態に第2候補などを上手く流用できるなどの利点がありそうです。