ぼくらの

 見たいなと思っていたアニメ版「ぼくらの」を全て見た。原作が「なるたる」の鬼頭ということで世界観はかなりアレなんだろうなぁと予想はしていたけれど、実際見始めるとやはりそうだった。

 ストーリー的には何というか、バトルロワイヤル的に人がどんどん死んでいって最後はほとんど誰もいなくなるという、閉じこめられ系ミステリーみたいに登場人物が減っていく。原作はまだ終わっていなく、オリジナルストーリーで展開され終わるのだけれど悪くは無かったように思う。

 見ている途中で、怖いもの見たさでwikiなどで少し情報収集をしていたのだけれど、どうもこの作品は監督が途中で「原作が嫌いだ」という台詞をblogに書いたせいで大炎上していた作品らしい。このことは多分賛否両論あるのだろうけれど、文脈を見る限り一方的に悪いとも私は思わない。

 原作者に、子供たち(登場人物)を救ってもいいですかと問いかけ、魔法を使わないなら良いですよとの回答ももらっているようだ。原作はまだ未読なのだけれど、途中相当改編されたようだ。話の真ん中あたりからその気が強くなるらしいのだけれど、14話あたりから明らかに鬼頭っぽさが無くなっているのでこのあたりがそうかと頷きながら見ていた。

 しかし、私的にはやはり救われない最後には変わりなく、面白い作品だったとは言い難いかもしれない。(つまらないという意味ではない)善悪での問題ではなく、楽しくみれる作品ではなかった。

 死ということをテーマにされると、どうしても心の中で引きずってしまうものがある。この作品では敵をロボットで倒すのだけれど、ロボットは人の生命力で動いているため戦闘が終わるとパイロットは必ず死んでしまう。戦闘で死ぬのではなく、何かを吸い取られるように死んでいくのだ。

 全てを見終わった後、風呂に入って寝た。そのとき、ふと風呂から上がる前に、そのまま風呂の栓を抜いてみた。流れ落ちていく水に吸い取られるように浮力が消え、体は重くなっていく。それはまさに自分の生命力が流れ落ちていくようだった。命が失われていくってこういう感じなのだろうか。