暖かい日の散歩-安養寺

 栗東八景「泉面の雪花(せんめんのせっか)」といわれる東方山安養寺。地名にもなっているので当然名前は知っていたのだけれど、30年以上地元に住んでいて、実際どこにあるのかも知らなかった。最近、仏像好きのおタキさんと色々寺を見て回っているのを母親に喋っていたら、行ってきたらと言われていた。

 家の奥座敷の掃除も終えて、天気も良かったので散歩がてら一人でぶらりと歩いて行ってみることにする。GX100を片手に、新しく買った携帯が経路計測ができるので、それのテストもかねていた。

 実家の付近とはいえ、自分の通学路以外を歩いてブラブラすることは意外にない。今回行った安養寺も全く通ったことのない道を途中から上がっていくような感じだ。

 以前なら、時間があっても家でダラダラしていることが多かっただけに、こうやって散歩に出ようという気になったのは今年の一つの大きな変化かもしれないなと、ふと思った。

 近所にも、普段見逃していた面白い風景があるかもなぁとキョロキョロしながら、ブラブラと歩く。近所の知り合いに見つかるのは、どうも不審者に見られそうでイヤなのだけれど、田舎は歩けば(一方的な)知り合いにどうしても出会ってしまう。

 先日墓掃除へ行って、一人で黙々とやっていると、他の掃除に来た人たちに声を掛けられる。こちらはあまり記憶に無いのだけれど、近所の人たちも多い。その中の一人に「こんにちは、せいがでますね」と言われる。「どうも、ごくろうさまです」と返すと「お母さんはご病気か何かですか」と聞かれる。まぁ普段母親がいつもやってることを、息子だけがやってるとそう思われるのか。

 お寺では、住職さんらしき人がお地蔵さんの掃除をされていた。寺の奥の山に八十八カ所巡りというのがあったので足を踏み入れてみると、山のなかの参道八十八カ所にお寺の名前とご本尊の名が刻まれている。恐ろしくグルグル山の中を散歩するコースでそこだけで10分以上歩いていた。家に帰って携帯から徒歩コースを参照するとその山道も正確にトレースされていてびっくりした。なかなか面白いな。