決済システム

 昨日、PsychsがLimechatiPhone版をリリースしたことで決済の事を考えていたのでなんとなく言及してみる。

 これだけソフトウェアやサービスの流通があっても、なかなか有料というのは軌道に乗りがたいといわれている。実際自分を省みても、有料サービスをどれぐらい使っているかといえば、ほぼ全くといっても過言ではない。サービスはともかく、ソフトウェアでも機能以上にシェアウェア導入への閾値が高い。

 少し考えてみると、「販売元が提供している決済システム」と「決済システムが提供している販売元」で利用度が全く違うのだ。たとえばアマゾンなどは後者だ。最初は本だけという形だったのだけれど、電化なども取り扱い、決済システムが統一されているため、一度登録してしまうと抵抗が著しく下がる。前者の場合、個々の購入に対して決済を発動させなければならない。

 これは、現物の商品を買う際には購買行為を、たとえば町にでてするということの代替として考えるとまだ感情的に納得できるのだけれど、ダウンロード購入ということになると少額になるぶん面倒くささが先に立つ。少額にもかかわらず、個々にカード番号を晒したり入力するというリスクばかりが増える感覚があるからだ。

 そう考えると、携帯キャリアやiTuneなどで有料ソフトがバリバリと売れている理由が良く分かる。決済システムへの契約を終わらせた状態で、買い物に向かうのだから買い物かごにいれる抵抗が恐ろしく下がるのだ。「買いますか?はい・いいえ」で事が済んでしまうのは非常に楽だ。

 というわけで、現在のところWebではほとんど少額決済のシステムを装備できないでいます。
とはいえ、将来に向けていくつかの可能性は考えられます。
それは「ポイント購入制」。まず一定額のポイントを購入させることで決済回数を減らし、以降は小さい単位で利用できるのがメリット。この方法ははてなや、paperboy&co.の「おさいぽ!」が採用しています。これを実施できるのは「資金的に余裕があり、ポイントを購入しても多彩かつ有益な利用方法があり、近い将来の発展が期待されている」企業に限られますが。
有料サービスが抱える課題 − 少額決済について

 上記の記事で決済システムをつくることの面倒さが良く分かる。少額の場合は手数料の問題が常につき回る。個人的な落としどころは、最終的に各家庭のPC等にICリーダーをつけることで落ち着きそうな気がする。結局、WEB上だけで使えるポイントなどは流動性が低すぎて非常に不便だ。だとすれば現状どんどん進んでいるお財布ケータイやイコカなどのチャージ式のカードに、PC側でインタフェースを付けるのが一番無難ではなかろうか。