読まなくなった

 年を取るにつれて、読書量が著しく下がっている。

 いつ頃がピークだったかと考えると、漫画を読書としてカウントするかは微妙だが、高校・浪人時代が一番本を読んだのではなかろうか。浪人時代は、昼飯代として親から毎日貰ったお金をパン一個に節制して毎日一冊本(not漫画)を買っていた。

 小学生のころは漫画は全く読まず、純粋に本だけを読みあさっていた。毎日図書室には顔を出していたし本を読むのが楽しかった。そのころ読んでいた「デブの国ノッポの国」なんかは印象にまだ残っている。世界名作シリーズなんかもよく読んだ。どうも今から振り返ると小さいときに読んでいたのは外国の本が多かったように思う。

 外国の子供の日常を描いたシリーズが好きだったのだけれど、今タイトルを思い出せない。通貨でクローネという単語が出ていたのを覚えている。当時は何で円じゃないのだろうと思っていたのだけれど。日本で言えばずっこけ三人組もよく読んだ。何年か前にシリーズが終わったことを知って何とも言えない気分になったのを思い出す。

 中学に入った頃から漫画が大きな割合を、そしていわゆるファンタジー小説が読書の中心になっていく。スニーカーや富士見ファンタジア文庫などを買い漁っていた。ドラゴンマガジンは創刊すぐあとぐらいから6年ぐらいはずっと買っていたように思う。そのころは新刊のファンタジア文庫は全部買っていたので、ある時期までのファンタジア文庫はコンプリートされていた。

 大学に入ると、まず盛岡にまともな本屋が無いことに愕然とした。町の中心街の本屋に全然本が無いのだ。浪人時代は京都の本屋をハシゴするのが当然だったので、その当たりから本離れが始まったのかもしれない。ジュンク堂で中国の歴史書のコーナーをハシゴしていた人が、当たり障りのないベストセラーの平積みでは満足できなかったのだ。

 それからの矛先は中古の漫画に向かい部屋中が漫画だらけになっていく。大学を卒業するころには3千冊近くにまで膨れあがっていたわけだ。それほど読んでいた漫画も、某人の「大人になって、漫画を読むなんて恥ずかしいからやめて」という一言で雑誌の購読とコミックの購入をぴたっとやめてしまった。よくやめれたなと思ったけれどそれほど苦痛でもなかったので、かなり惰性だったのかもしれない。

 そういったわけで、結局本も漫画も何も読まない日々になった。テキストを読むという意味では代替行為としてWEB上の文章を読むことになるのだけれど、そのせいかなんのせいか視力が著しく落ちてしまった。数年ほどまえにakdに100冊ぐらい小説を借りたのだけれど、そのとき久しぶりに本という媒体を開いてみると、驚くほど本を読むことに疲れることに気が付いた。視力が落ちたせいなのか以前ほど本に集中できなくなっていた。運動不足のように久しぶりだったからだろうか。

 blogというものが生活に密着して、色々と書評をみるようになって、最近はまた本を読みたくなってきた。なので欲しいものリストに入れたりして機会があれば読むようにしている。おタキさんが読んでいる本を借りたり色々だ。書店に行くことは無くなったけれど、そのぶんWEB上から立ち見のように見てアマゾンで購入という流れがやっと出来てきた。そう考えると今は地方でも楽だなぁと思う。今盛岡にいってもあのころに感じた失望はもう感じないだろうから。