前夜

 32歳最期の日を迎えた。日曜日におタキさんに今年一年はどうだったと聞かれたので改めて考えてみる。

 32歳は色々と新しい出会いの多い1年だった。人的にもそうだけれど、生活習慣や文化、仕事的にも色々と変化が多かった。そういう意味では今年はかなり自分の生き方を見直した1年だった様に思う。

 立派になりたいと思っているわけではないけれど、恥ずかしくない様にならないと色々と考える年だった。おタキさんのおかげで色々目上の方に接する機会が増えたからかもしれない。良い刺激をもらっている。それに伴ってなのかたまたまなのか、仕事の上でも色々と今までとは違う形で軌道にのってきたように思う。その分当然求められるものも増えてきているので周りに迷惑をかけない様にしないといけないな。

 30歳を越えた辺りから、周りに対して有り難いと思うことが多くなった。私は傲慢だし勝手な性格なのでさんざん周りを振り回してきていると思う。おタキさんにしろ両親にしろ周りの友達にしても呆れずにまだつき合ってくれている。耳に痛い忠告をしてくれる人たちも多い、社会にでると笑われるだけで怒られることは当然減るのだけれど、忌憚無く何かをいってくれることは本当にありがたい。特にPsychsやうちの社長には本当に感謝している。

 この一年は出来るだけ「面倒」だと思うことをやめようとしてきた。しなくてはならないことをやるときには出来るだけ前向きな気持ちでやろうと。物事に対して斜に構えても良いことは無いと経験的にわかった。どうせやるなら気持ちよくやろうと思っている。

 それはもっと疲れることかと正直思っていた。実際一年続けてみて、それは疲れることでなく、むしろ自分を楽にすることだと思った。怠いと思うと本当に怠い視点でしか物事が運ばない、気の持ち様で新しい発見はどんなものの中にもあるということを改めて感じた。

 日常は果たして本当に変わりないものだろうか。変化の兆しはどれも小さくその積み重ねが大きな変化になる。日常に対する好奇心を持てばやはり毎日は違う日なのだ。だとしたらもっと色々なことが知れるし愉しめるということが分かった。

 周りを巻き込みながら、何とか33年間やってこれた。だから、この区切りに何とかしてくれた周りに「本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします」と出来るだけ伝えたい。