終戦

 CSの第一ステージが終わり、阪神タイガースの08年シーズン全ての試合が終了した。選手のみなさまお疲れさまでした。

 浮かれきっていた前半戦からオリンピック時期の不振、そして逆レジェンドへ到達した素晴らしく上下の激しいシーズンだったわけです。

 後半失速したぶん恐ろしく印象が悪いわけですが、実際の成績を見てみれば優勝していても全然おかしくない成績なわけです。成績の好不調の波がたまたま極端だっただけで冷静にみてみれば、今年の戦力でよく頑張ったともいえます。

 今回の大逆転劇は、阪神の失速よりもむしろ巨人の加速を褒めるべきでしょう。あの終盤で10連勝以上を積み重ねるのは凄いことだと思います。まぁこれで逆転されたのが中日であればもう少しファン感情もちがったのかもしれないですが、あの天敵巨人ですからファン感情が穏やかでないのもしかたがないでしょう。

 岡田監督も2位で異例の辞任という形になりました。これは彼なりの美学なんだろうと思います。周りは岡田嫌いのひとも結構居ますが、私は客観的に見ても岡田は名将だったといって差し支えないと思っています。かたくなに形にこだわる所を嫌がる人も多いですが、逆にその形を作ったからこそ、これだけの成績を収めてこれたのでしょう。少なくとも就任初年度以外は全て優勝争いに加わり、Aクラスに居たのですから。

 前任の遺産という話も良く聞きますが、最初の2年はともかく5年の長期にわたっては遺産だからというのは少し酷な気がします。すくなくとも現在の阪神の代名詞といえるJFKという構想は岡田政権で確立されたものですから。

 相手がいる戦いで、100戦100勝は当然無理で勝敗は兵家の常といえます。外野からのプレッシャーがきつい阪神でしびれる様な戦いを続けていくのは本当に身を削るような思いだったでしょう。勝っても負けても心身共に消耗していくのだと思います。そういう意味でここ五年を身を削って楽しませてくれた岡田監督にはありがとうと言いたい。本当にお疲れさまでした。