おタキさんの誕生日に、行きたがっていた鮨の予約が取れたので行ってきた。

 滋賀は内地ということもあって、特に生魚は美味しいところが無いように思う。個人的に鮨をあまり食べに行く機会も少なく、回転寿司が殆どで食べるネタも魚よりシーチキンや納豆巻きのほうが好きという程度だ。

 程度は段々あるのだろうけれど私自身は鮨自体にそれほど魅力を感じていなかった。とはいっても本能的に、ある程度しっかりしたものを食べれば満足できるだろうなということは思っていた。しかし、なかなかきちんと寿司屋にいく機会というものはなかった。

 おタキさんの舌は結構厳しいから今回の鮨にはかなり期待していたのだけれど、予想以上に満喫できた。お盆に勝浦でも鮨を食べたのだけれど、ちょっと比べるのは気の毒なぐらい。

 全体的に小振りというのが最初の印象だった。基本的に鮨は食べにくい(ネタに醤油をつけるのが結構面倒、ガリを使うのだけれど風味をうつしたくないものある)というのがあるのだけれど、ここは醤油に小ぶりのスプーンがついていて適量かけることができる。

 また、ネタによってポン酢、醤油、塩を自分で選んで使うことが出来るのでこれも良いと思う。特に塩で食べるというのは初めての体験だったが、白身の魚は甘さが塩で引き立って良いように思う。

 ガリ、カイワレ、ワカメは食べ放題のようで無くなると大将がどんどん補充してくれた。ガリでワカメとカイワレを巻いて食べるととても美味しい。調子に乗ってかなりの量を食べてしまった。

 あとは鮨を大抵半分に切って出してくれる。これに関しては賛否両論あるのかもしれないが私には良かった。同じネタを塩と醤油などで頂いたりできるし、のりがついている部分とついていない部分の違いなども感じられて面白かった。女性なんかには食べやすいんじゃないかと思う。

 個々のネタについて書き出すとキリがないのだけれど、個人的にはイカが美味しくてもう一貫握ってもらった。ネタもあるのだけれど、包丁を入れた後アミで少しあぶる。食べると口の中に焼きイカの香りがひろがりながらネタは生という何ともいえないハーモニーだった。

 あと感じたのはノリのうまさ。ネタに巻かれているノリでこれほど味が変わっているというのを今まで知らなかった。半分に切られた鮨のノリのついている方とついていない方でまるっきり味が違う。こういうの感じる意味でも切られているのもありだと感じた。

 結局、記憶が正しければ一人18貫ほど食べて、赤出汁、ビール、日本酒を飲んで(各1)合計で1万円でおつりが来た。感覚的に1万6千円ぐらいかなぁと思っていたので満足度からいえばかなり安いと思う。普通に居酒屋で飲み食いしてもこれぐらいになるし。値段を気にせず満足するまで食べたので驚きだった。

 入店時間が決まっていて6時、8時、10時からのような形、最初に二つは2時間で退店してもらうような形になっている。基本的に大将のお任せのみのようなので(好みを言えば構成は変えてくれるようだが)そういうのが嫌な人には向かない。私は逆に何握りますかとずっと言われると食べ慣れないので困るたちなので逆にコースのようにだしてもらえるほうが有り難かった。そういう意味では入門者むけなお店なのかもしれない。リラックスできる雰囲気だったと思う。

 おタキさんの誕生祝いに連れて行ったはずなのに、何故か自分がとても楽しんで帰ってきたという話。

備考:
ひらめ 鯛 いか さより かに まぐろの握り 海老 鯛の皮つき タイラギの貝柱 穴子白焼き うなぎ 卵焼き いか ひらめ縁側 赤貝 さんま 鉄火巻アオリイカのゲソ