ふろしき

 少し前に知り合いが大厄ということで、縁起物の厄払いの品を何か贈ろうと思っていた。七色のものとか鱗の模様などの身につけるものが良いと言うことだった。小物とかは趣味もあるし、あわないのを贈られても困るだろうなぁと思っていた。

 結局、鮫小紋などが良いというWEBのページを見ていて、そうだ風呂敷にしようと思った。後から考えると、普段身につけるものかどうかはかなり疑問なのだけれど、風呂敷は沢山もっているのを知っていたし、まぁ風呂敷の中では鮫小紋は比較的スタンダードなので品物としても間違いが無いだろうと思った。

 買いに行くのも宛が無いので、困ったときのWEBということで楽天で色々探しているうちに、「ふろしきや」という名前のこれまた直球な名前のお店を見つけた。予算的にも品的にも丁度良さそうなのがあったのでそこで注文して贈ることにした。

 実際に買おうとすると、色々調べたりするので、風呂敷の使い方といっても色々あるんだなぁと感心したりする。諭吉さんが鞄の代わりに使っているのをみたりして便利そうだなと思ったことはあったけれど、実際こうやって自分で調べてみると、もっと使われていても良いよなぁと思った。

 こういう商品とかこういう商品を見ても、贈られた方としては華やかさがあって面白いなぁと思った。別に和洋こだわらずに使うことはできるなと色々と見ていた。

 このお店は随分年輩の方がやっておられるお店のようで、商品の送り先と私の所にきた明細書の中に達筆な直筆の手紙が添えられていた。このあたりは、長く続いている店舗だと結構やられていることが多い。実際私も楽天で店をやっていたときは手紙を添えるようにしていた。(私は書いていないが)少し驚いたのは、その後のメルマガでプレゼントの応募の案内があったので、何となく応募してみた。そうすると何日か後に店長さんから「先日はお買いあげ有り難うございました、ご応募有り難うございました。」とわざわざメールが届いた。

 これはなかなか凄いなぁと思う。今はどうかわからないけれど、確か自動で購買履歴者をプレゼント募集の中から抽出したりする機能は無かったように思う。たしかに、コメントには先日買いましたという文言はのこしたのだけれど、申し込みのコメントを全てチェックしているとしたら凄いなぁと思う。

 開店直後であれば、そういうこともしたのだけれど、店側になるとわかるのだけれど、プレゼント応募のコメントは自動応募スクリプトなどで無理矢理作成されたものが多い。もっともらしい文章をスクリプトがつくるのだ。やれ「色々見せてもらいましたが、良いお店ですね、また来たいと思います。」だの「すごいお気に入りの商品がみつかりました」なんていう店側を喜ばすコトバがコメント欄に入っている。

 実際は、店舗側はアクセス解析でページ遷移がわかるので、本当に商品を色々見たのかというのは丸分かりで苦笑するしか無いのだけれど。そういう意味である期間を越えるとあまりコメントそのものを見て回ったりはしないようになる。そのなかで開店八年目というこのお店がそれを続けていることは凄いなぁと素直に感心した。むしろ、それが出来るからこそこのお店は生き馬の目を抜く楽天で続いてきたのかもしれないけれど。

 こういう、商品そのものもだけれど、「買い物」という行為を楽しませてくれるお店が今後生き残っていくんだろうなぁとふと思った。WEBショップを出店するときによく言われる言葉に「WEBショップは自動販売機では無い」というのがある。確かにその通りで、やり方によってはいくらでも伝えられるものはあるのだなぁと改めて実感した。