眠れぬ誰かを照らす月

 akdのお誘いで篠原美也子さんのワンマンライブに初めて行ってきた。祥子さんのライブに行かなくなって久しいので、ライブは本当に久しぶりだったけれど、やはり生は良いね。

 美也子さんは、akdに出会った頃に進められて気に入ってずっと聞いている。メロディラインもそうだけれど、この人の歌詞は本当にチカラがあると思う。最初に聞いたときは「ぐへーなんて濃いんだ」と思ったのだけれど、慣れてくるとそれが溜まらなくなる。

 何度かakdに東京のワンマンライブに行こうぜとは言われていたのだけれど、なかなか日程的や金銭的にチャンスがなかった。今回は6年半ぶりの大阪ワンマンということでチケットを取ってもらって参加できて良かった。

 ライブ前半はバラードが多く、弾き語りだったこともあって一人で違う世界に入ってしまった。普段、会社の通勤時に聞いているのでどうも美也子さんをバックに色々考える癖がついてしまっているらしい。何故か曲を聴きながら学生時代を思い出したり何かよく分からないトリップ状態になってしまっていた。

 今回のテーマは「おなじ月を見ている」ということで、月がテーマな曲が沢山歌われた。この「おなじ月を見ている」という言葉はとても好きだ。ライブが終わった後、おみやげという形で曲目リストと美也子さんからのメッセージカードをもらえるのだけれど、その文言をすごく気に入って机の上に飾っておこうかなと思う。

 月といえば、#PinkMoonStudioも月を冠している。鈴木祥子も月を歌った曲がいくつかあり、お気に入りの曲も多い。「夜空にかかった真夏の月のようだね」というフレーズがあるのだけれど優しくてとても好きだ。こじつけのような月つながりなのだけれど、月は太陽と違って優しく見守ってくれる感じがするので心が落ち着くのだ。

 ライブ前半は静かめに過ぎ、後半からは好きな曲、聞きたかった曲が流れ、無駄な思考はどこかにいってしまって歌に聴き入った。体は自然にリズムを刻んだりもしていた。そして、美也子さんのこの細い体に本当にエネルギーが詰まっているなと感心したりもした。

 アンコール前のラスト、オールドラバーズを聞いたときに美也子さんの歌に対する思いが伝わってきたみたいで少しうるっとした。akdはまぁ泣いているだろうと思ったら案の定だった。それだけのエネルギーがあると確かに思った。

 最後にグッズを買った人にサイン会があるということで、皆は出口に並んでいた。私はグッズなどには興味がない方なので、以前にグッズを買って恨めしそうにしているakdを引っ張って出口に向かった。何故かグッズ売り場とは逆の出口の方から美也子さんがこちらに歩いてきた。あまりに普通に歩いていたので、その場で声をかけて「良かったです」と伝え握手をしてもらった。akdも子供が三歳になったと報告していた。akdと会話をした直後スタッフの方に、売り場の方に移動してくださいと促されていた。並んでいる人たちには気の毒だったけれどラッキーだった。

 最後に直接会話して思ったことは、ステージ上に居るときにはすごくエネルギッシュで強くみえた美也子さんは、握手をしたときは本当にか細く、おなじ人とは思えないぐらいだった。ステージ上で本当に生気を爆発させているのだと改めて感じた。

 帰りの電車の中、akdに「ライブどうだった」と聞かれたので、「うん、良かったよ」と答えたら淡泊すぎて不満そうだった。久々のライブは何か色々なことを感じさせてくれた。それをその場で言葉にするのは難しかったし、陳腐で良いんじゃないかと思ったので端的に答えた。表面じゃなく、自分の中の何かが刺激された。でもそれはなかなか表にはでてこないものだと思う。

良かったよ

今更blogを見たが、あのウルトラセブンの絵は伏線だったのかな?(笑)