共有知2

 他の人の話を聞いてたりしてしまうので、更新しなくても更新したかのように満足してしまうんですよね。でも、それって一人にしか伝えてないよね。他の人(“見えない読者”)にとって、その人は居なかったことと同じなんです。
まなめはうす6/10日記

 これを見て前回の話に追記。

 さざなみさんに「WEBで発信してください」という話をした意図はこの部分も大きい。

 さざなみさんは酒屋で、営業と啓発をかねて酒蔵見学やビール工場見学などのイベントも行われている。それはそれで素晴らしいと思う。でも実際に個人商店で出来る範囲のことというのは金銭的にも手間的にも限られている。

 現実の企画も当然大きな意義はあるのだけれど、それは自分の手の届く範囲に限られスケールメリットを出しにくい。イベントに参加できる人は限られるし、それ自体も基本的に実行するたびに経費がかかる。

 それに比べてWEBでの発信は、不特定多数に対してオンデマンドに発信できる。1人が読もうが1万人がそれほどコストが変わらず、なおかつ知識はアーカイブされていく。(スケールメリットを出すと鯖パンクはあり得るがそれはこの際無視する)

 これは限られたリソースのなかで、直接売り上げを上げるわけではない行為に従事するという意味ではとてつもなく大きいのではなかろうか。そしてblogのオンデマンド性は読み手だけでなく書き手にもある。たいていのblogは携帯での投稿が可能だし、少しの待ち時間などを利用してやる気さえあればいくらでも書くことが出来る。

 実は縛りが無い人よりある人の方が本当は記事は書きやすいのだと思う。たとえ15分しか時間がとれないとしても、記事を書いていくことは連載という形などでいくらでもやりようはあるのだ。そこが完成されたものしか公開できないという誤解である。

 blogを書いていて一番思うのは、自分が頑張って書き、自信がある記事が評価されるわけでは無いことだ。本当にネタが無くて書いたつなぎのような記事が好反応であることは多い。ただのblogであれば当たり外れは単なる娯楽だが、商売も絡んだような発信の場合、その反応はプロだから見過ごしている客のニーズであることが多い。そういうものに敏感になれるためにもWEBでの発信は有用では無いかと思う。

 他人の商売のことだからほっておけば良いのかもしれないけれど、少なくとも私個人としてさざなみさんには頑張ってほしいと思う。一人の酒好きとして、色々な酒を紹介してもらって有意義な酒ライフを送らせてもらっているから。そして、私の周りの酒好きの連中はやはりそういう情報を欲しがっているから。