ハック

 最近のはてななんかを見ていると、「ライフハック」やら「〜のための○つの方法」なんかがまた良く記事にされている。昔はちょくちょく覗いていたけれど最近は敬遠するようになった。

 そういうのは、思考方法自体をツールとみたてると、成功している人はこういうツールを使っていますよとか、こういうときにこういうツールを使っていますよという話しが多い。もうちょっと具体的に例えると、この絵描きさんはフォトショップを使って、こういう絵を描くときはこういうツールを使いましたという結果だけの羅列だ。

 そういう記事を見る人達は、同じ絵を描きたいのだろうか。状況的なものが同じで、これはどうやって書かれたのだろうという参考にはなるだろうけれど、その元の素案がないひとにとって果たしてそういった情報は有益なのだろうかと思う。

 本当に有益な情報は、何をしたかよりもむしろその技法やツールを選んだプロセスにこそある。全ての活動を表現とするなら、自分が表現したい(成し遂げたい)ものを思うとおりにするために、一体どういったプロセスを経てそのツールや技法を選んだのか、その辺りをもっと語ってくれないかなぁと思う。

 同じツールをつかっても同じものを作れるわけではない。今と昔の違うところはツールを手に入れるためのコストが著しく下がっただけだ。

 良くいわれる、知識と知恵のバランスを取っていくことが一番重要なことになる。インターネットのおかげで、知識に関してはほぼ個人を飽和させるぐらいのものが手にはいるようにはなった、その反面知恵を鍛えたり増やしたりする場はどれだけあるだろう。

 多分、これだけ情報基盤が揃ってくると、今までの学校教育のように知識ベースではなく、大量の情報をどう扱っていくかという処理能力の教育に移行していく段階なのだろう。

 そのあたりが、今話題になっているネットをフィルタリングする規制法に対する違和感なのだろう。見えなくするのは良いけれど、いつかはフィルターの無い世界にでていかないといけない。その時に果たして一気に溢れかえる情報をどう彼らは処理するのだろうか。