サクラxさくら

 シーズンぎりぎりにゆっくりとサクラを見ることが出来た。おたきさんのお茶会のお手伝いをしてきました。最初は普通に客として行くつもりだったのだけれど、先日のおくどさんの会のときに先生とお会いして、お手伝いをお願いされました。

 お天気がずっと雨予報でしたが、誰の行いが良かったのか雲一つない絶好の日和でした。野点ではないものの外で点心を頂くこともあって前日まで天気予報と睨めっこでした。今回のお手前はおたきさんをはじめ、お茶を初めて1年以内の方ということで、かなりチャレンジな内容だったようです。

 会場は京都の筍亭さんということで、点心は筍づくしでした。会場も竹林の翠とサクラの桃が綺麗に融和した閑静な良いところでした。朝方は音楽もなく、微風で竹の笹ずれの音とホトトギスやキジが鳴くなか、準備前に丁度満開で散る前のソメイヨシノと8分咲きの枝垂れサクラを楽しめました。

 お手伝いといっても、私はお茶の経験もありませんし、何も分からないので水屋には一切関わらず、待合いの横で点心とお土産を渡す係りでした。丁度日陰で、サクラも綺麗に見れる場所だったので実は一番良かったのではないかとおもいます。待合いで来られたお客様と歓談したりとなかなか楽しい一日でした。

 水屋のほうはてんやわんやだったようです。点心は昼時に一度にこられたとき以外はそれほどでもなかったので、いつもの着物メンツが来てからは待合いで歓談しているような具合でした。

 私は、意外に思われるかもしれないけれど、花見をするならいわゆる「だんご」はそれほど必要だと思わない。むしろゆっくりサクラだけを見たい。喧騒があまり好きでないのもあるのだろうけれど、いわゆる花見というのはうーんと思うことが多い。そういう場所に誘われることも殆どないのだけれどね。

 サクラは個人的には横からみるより真下から見上げ気味のほうが綺麗だなぁと思う。だから出来れば寝ころんでゆっくり空とサクラを見上げられるようなシチュエーションが最高だ。近所の公園に夜いくとベンチで寝ころんで夜桜を眺められる。夜桜のほうが何か雰囲気があって好きなのでごくたまに(何年かに一度ぐらい)そんなことをしてみたりする。

 まぁそんな妄想はともかく、今回のお茶会は場所的にも来られていた方々もゆったりとしていて、気持ちを落ち着けてゆっくり出来たように思う。終わったと心地よいつかれをもって家に帰り、お風呂にゆっくりつかってすっきりした後、部屋を暗くして、徳永さんのバイオリンソナタを聴きながらバーボンを煽って一日を振り返ってみた。微妙なまどろみと余韻で幸せな気分になった。