青白

 NHKスポーツ大陸を見た。先日の大阪場所の千秋楽、初めて相撲を生で観戦した。まぁそこでマス席をまたいだだけで腰をやったわけだが。

 おたきさんの影響で、相撲をみるようになったのだけれど、見始めると野球と同じで面白い。まぁ古い体質の世界だから裏では色々あるんだろうけれど、逆にそれが無い世界も見当たらないし。朝青龍の一人横綱時代と比べると、たぶんここ半年を見始めたのは良い時期だったのだろう。

 色々と素行面などで叩かれることの多い朝青龍なのだけれど、マスコミが嫌いな私にとっては逆にどうなんだろうなと思ってしまう。相撲だからかどうなのかは分からないけれど、NHKの相撲番組(大相撲中継ではない)をいくつか見た感じだと、ある程度分かって悪役をやっている風もかなりある。もともと素質はあったにしろ。

 競技柄、国粋主義者も多いだろうしそういった中で結果を出していくことの難しさは相当なものだろう。品格云々もいわれるが、文化の違いもあるのだろう。それを受け入れられないぐらい懐の狭いのもどうかなぁと思う。何か元寇の話しを思い出してしまう。攻めてきた蒙古兵に日本兵が名乗りを上げて弓で打たれて卑怯だとのたまう。そんな感じ。

 いままで、相撲は全然興味が無かったので、朝青龍が強いとか名前ぐらいは知っていたけれど、どのぐらいの実績を持つのかは全然知らなかった。しかし、番組なんかでみていると、史上初の7連覇、年間の場所全勝とかちょっと考えられないぐらい圧倒的だ。だとしたら周りは彼の出してきた結果にもう少し敬意をはらっても良いんじゃないかと思う。

 しかし、それだけの記録を出せるということは、本人が強いのもそうだけれど回りも相当不甲斐ないともいえる。そのことは果たして朝青龍にとって幸福なことだったのだろうか。一人が突出しつづけるということは周りが思うほど良いものでも無いだろう。特に、陸上などと違って記録というものと戦う訳ではなく相対的な評価しかできない中でモチベーションを保つことは本当に難しいだろう。

 そういう意味で、白鵬の台頭は朝青龍にとってはある種良いことだったのかもしれない。負ければ悔しいし当然勝ちたいだろう。ただその過程が充実するほど達成感は高まるだろうしモチベーションは続くだろう。これからどれくらいの間青白時代が続くのかは分からない。ただ素人目にもあの二人の間に割り込むような元気の良い力士は今のところ見つからない。

 私は多分、ずっと朝青龍を応援しつづけるだろうな。それがなんでかは良くわからないけれど。