ツール

 確かに、RSSリーダーは普及してない。(技術系でない)ニュースサイトの中の人の話を聞くと本当に実感する。ただ、RSSリーダーは普及すべきものなのかと言われて、ニュースサイト管理人なら使うだろJKとは言っても、フツーの人は使わないと思う。はてブも同じだよね。id:naoyaもフツーのOLは使わないって言ってた。じゃあ、“フツー”ってなんだよって定義トークは誰かにまかせるか。ところで、RSSリーダーはてブTwitterってどれが一番流行っていると思います?私の中ではTwitterはてブRSSリーダーだと思うんですよ。なぜTwitterかというと、そこにコミュニティが存在するから。
日記 2/21-まなめはうす

 RSSリーダーの普及の話題がちらほら出ていた。「普及」というのの母数がこの際非常に問題になるのだけれど、WEBを使用する人という意味では全く普及していないレベルだろうと思う。技術としてのRSSは、mixiの外部ブログの取り込みであったり、さまざまなヘッドラインで利用されているけれど能動的にそれをツールとして利用と考えるとかなり厳しいだろう。

 これはある種当たり前の話で、定期更新されないサイトを定期購読したい読者の絶対数が少ないからだ。そもそも、RSSリーダーの利点は不定期に更新される定期購読したいサイトが多数あるときに出てくる。それともう一つ、自分のネットの巡回周期が、サイトの更新周期より早い場合だ。

 そう考えると、一般のライトユーザーは定期購読するサイト自体が少なく、かつ巡回間隔が広い、そしてライトユーザーが巡回するサイトは殆ど毎日更新されているようなニュース系のサイトがメインになるだろう。だとすればわざわざRSSリーダーを入れるだけの利点がそれほど無いのだ。幾種類かの不定期サイトを購読したとしても、数が少ない間はお気に入りを開いてもそれほど苦にならない。

 そもそも、テレビメディアに馴らされているライトユーザーは、能動的な情報収集よりも、yahooなどのポータルでヘッドラインから情報をつまみ食いする事を選ぶ。簡単にいえばお勧めして定期的に情報発信してくれるほうが自前で集めるよりも手軽なのだ。そういったライトユーザーの人口を、能動的に情報集めるひとの数を越えることはない。ということはそういう意味でのRSSリーダーの普及は殆どあり得ないのではないかと思う。

 これは私自身が、情報に関わる仕事をしていて尚かつ、ガジェット好きなユーザーから便利だよといわれて、実際に使い始めるまでの期間を見ていると痛感する。タブブラウザしかり、RSSリーダーしかり、道具の便利さはそのまま利用の頻度に依存する。ライトユーザーは覚える煩わしさの度合いが高い。良くわからない事を勉強して少し便利になるより今のままの方がむしろ楽なのだ。

 タブブラウザについて言えば、根本的な要因のひとつに、ライトユーザーは基本的にシングルタスクだ。PCで一回に一つの事しかしない。ブラウザでHPを開いても、一つをみては一つを閉じる。これは、そうしないと認識力の限界を超えるのだ。タスクバーに置いていおくという概念はなかなかわかりにくく、次の動作をするためには画面を閉じないといけないと思っているユーザーが多い。そして、同時に複数の情報を表示するほどモニタは十分に広くない。二つのページを同時に開いても結局の所デュアルモニタでも無い限り見比べはできないのだ。

 結局の所、大量の情報をタイトに処理する場合以外は、いわゆる便利といわれているツールはそれほど利点がない。他の所でも少し触れられていたけれど、RSSリーダーが普及するとしても現在の形ではなく、RSSリーダーを使っていると感じさせないマッシュアップされたサービスが切っ掛けだろうと思う。