入口とオンデマンド

 勇気を出してまなめさんのトラックバック企画に乗ってみました。

 PCを利用したWEB環境で、色々な情報を簡単に手に入れられるようになりました。PCはどちらかと言えばサーバーから情報を引き出すことをメインに使用されてきたと思います。それに比べて、携帯電話の歴史は、ポケベルから始まったコミュニケーションツールとしての役割が大きいです。ポケベルのメッセージからショートメール、Eメールと、携帯性と表示できる情報量、料金等の問題からやはり簡易的なものにならざるを得ませんでした。

 WEBにおける情報収集も、検索エンジンを筆頭にいわゆるポータルサイト的なものが、個人レベルのリンク集から企業による情報エンジンにどんどん置き換わってきました。

 ニッチな市場をポータル化して大手に対抗しようという試みは、多く見られるがことごとく失敗しているように思えます。例えばぐるナビなどのグルメ案内サイトを、地域に特化して行おうとしているものを多数見かけますが、結局の所、WEBサービス以前にそういう情報を大量に所有しているところならばともかく、一からの情報収集の場合、絶対的な情報量の不足でそもそも集客できないという事になります。部分情報に特化するためには、少なくとも大手サイトよりもその部分に置いては情報量が上回らないといけないのですが非常にそれは困難です。

 PCサイトの場合、ニッチ化には非常に困難が伴います。それは結局の所、人が情報を集める術が検索エンジンに頼っている現状があるからです。現状HPを見つける窓口としては、雑誌、テレビ等の紙面媒体での紹介か検索エンジンぐらいしか方法がありません。具体的な名前があるならともかく、大概の情報収集検索の基本は商品名ではなく機能ベースです。

 こうして考えるとWEBと現実社会の結び目は、非常に限られてると言わざるを得ません。直感的な情報収集ではなく、一度目的に対してキーワードという抽象化を行わないと情報を引き出せないのです。これがテレビとインターネットの最大の違いでしょう。

 いわゆる情報家電も、すぐに実用化されるかのような話もささやかれていたけれど色々と難しいようです。電力線によるネットワークインフラが相当なレベルで実用化されないと、その類は難しいように思います。

 個人的には携帯電話がその一つの突破口になることは間違いないでしょう。携帯できる表示端末でネットワークを意識せず、カメラによって電子的な媒体を使用しなくても入口を作れることが大きいです。QRコードの認知度の高まりによって、例えばジュース等の懸賞などもどんどん自動化されています。探すことなく目的地に達することが出来ます。

 欲しい情報をキーワードに変更することなく、シームレスに結果を呼び出せるサービスがこれからの一つの焦点になるでしょう。観光情報、電車、バス等の路線情報はどんどんその傾向が増していくのでは無いでしょうか。事前調査もさることながら、全く知らない土地でシームレスに現地の情報を得られることは非常に有意義でしょう。

 現実世界の位置と、WEB上に結びつけるためには何かキーが必要です。GPSなども考えられますが、位置情報だけではURLには変換できません。そう考えると斜陽産業といわれるバスは新たなる可能性を持っているように思います。

 電車に比べバス停は地域に密着し、感覚も適度で地点個別でなく、バスというネットワークで地域を結んでいます。情報と会わせて移動手段も提供できる事になります。自家用車の社会のなかで、難しいかもしれませんが、バス停を「情報ターミナル」地域とwebをつなぐ上でのキーと見なすことは非常に有意義だと思うのです。WEBは見せることで広告を取ることが出来ます。即ちバス停を情報ターミナルという観点で地域情報の起点とする流れをうまく作れればそれは大きな利益源になると思うのです。

 バーチャルな世界のメリットと、現実世界のデメリットをどうつなげていくか、それが今後の社会生活を充実させる上で一つの鍵だと思います。