Ipod

 長年の疑問に、CDプレイヤーの性能で何故あれほど再生能力に差があるのかというものがあった。

 いわゆるデジタル出力というのに劣化は無いという神話がある。だから差異が出ないはずだと私も当初思っていた。しかし、実際にマランツの5枚チェンジャーといまのCEC3300では明らかに再生能力に差がある。

 私はいわゆるオーオタまでは行かないので、トランスポーターがどうとかDACがどうとかいう話は良くわからない。ただ、レンズクリーナー等が存在するということはレンズの照射の段階で読みとり不備が起こっていることはわかる。

 大抵の場合、エラーは「補完」され音飛びなどはしないようになっているらしい。実際同じ原理のPCのCDからデータ移動、これは末端ビットまで確実にコピーしたら同じものになる。1ビットでも狂っていればデータとして当然成り立たない。どうして片や「補完」が必要で片や確実にコピーできるのか。それが謎だった。

 おおざっぱに言えば、「補完」ではなく「補正」されているのであろうと思う。しかしその差は歴然としているように思う。というかそもそも、音楽再生に置いて円盤を回して「補完」が必要な作業を行うこと自体がナンセンスに思える。そういう意味ではCDという媒体自体が古いのであろうと思っていた。

 常々、PCに高精度でリッピングしてそこから再生をかける方が効率的で無いかということは思っていた。ただ、音源ボード自体の出力品質やPC自体の騒音が妨げになるなどの問題はあると思っていた。Bangとそんな話をしていた頃は、まだHDDも今ほど安くはなかったのでもっぱら話の対象はmp3の音質についてであった。しかし、今ぐらいのHDDの価格であれば十分CDをwaveファイルとしてリッピングしてしまうという手段を取れることに気がついた。

 更に、もう一つがIpodの存在によって大容量かつ高品質なデータの受け皿が出来たことだ。音楽出力に特化した機器であることを考えると、電源的にも音量的にも価格的にも新しいIpodクラシックは魅力的に思える。幸いなことに、ItuneはCDを読み込む際に、CDプレイヤーでは行えないエラー訂正処理を行って圧縮せずにリッピングすることが可能だ。これは多分コストパフォーマンスを考えると、廉価なCDプレイヤーの存在意義は無いと言っても過言では無いレベルの話ではないだろうか。

 少なくとも超高級オーディオではなく、私程度のコスト帯のオーディオファンにならとてつもなくメリットがあるように思える。クラシックの80Gで単純計算でCD125枚分が収録できる。日常使いの容量とすれば十分すぎるし、PCへリッピングデータさえ保存しておけば入れ替えも可能だ。

 そんなことを考えて、グーグル先生に色々お伺いを立ててみると、同じような試みをしている人達は結構いて思ったとおりの結果が出ているようだ。金額的にも負担はあまりないし是非早いうちに試してみたいと思う。