オーディオ2

 CDを買い換えた私は、チェンジャーの方が便利にも関わらずあまりの音の違いに、色々な音源を聞きあさりました。bangと話していると「スピーカーとアンプも買い換えようぜ」といわれていました。しかし、当時はshin16のスピーカーがどれほど鳴るのかが楽しくて買い換える気には全然なりませんでした。

 今から思うと、それは遠回りだったのかもしれないけれど、その時々で変化を楽しんでこれた分良かったのかも知れません。人は慣れてしまうものです。そういう意味で最初から上を見てしまうと味気ない意味もあるのかも知れません。実は不満がある間が趣味は一番楽しいのではないかと思うのです。

 そんなある日、業を煮やしたbangにアンプを没収されてしまいました。「いいかげん自分で買え」とある意味もっともな事を言われました。そしてまた、ケンウッドのアンプで過ごす日々が始まるのです。

 人間は一度贅沢になると、そのレベルを落とすことが出来ないという自明の法則によって私のアンプ買いたい欲は高まる一方になったわけです。

 bangと神戸に靴を買いに行ったついでに、電気屋でアンプを見て回りました。最初はヤフオクか中古屋で探すつもりでした。一度色々視聴してみた方がいいという事で、神戸のジョーシンで初めての視聴をしました。

 そこで初めて、視聴という体験をします。具体的に色々なアンプの音を聞いてみて、音の解像度や定位だけでなくメーカー毎に色々な音の特色があることも分かりました。最初に欲しいと思っていた機器は、自分の心をあまりくすぐりませんでした。

 結局全く買うつもりの無かった、新製品のアンプを購入したわけです。どちらかと言えば衝動買いに近い買い物でしたが、これは成功でした。

 音を聞くことで感じていた、アンプのパワー不足が一挙に解消され、スピーカーからは力強い音が出るようになりました。そしてAVアンプと、プリメインアンプの差も感じることになるのです。

 このときにCDを聞くのがとても楽しくなりました。女性ボーカルをメインに聞く私にとって声の艶が全く違うその音色は夢のようでした。同じCDとは到底思えないぐらい音がかわるのですから当然ですが。

 何かを買うと何かに不足を覚える、まさに泥沼スパイラルです。スピーカー自体の限界を私なりに感じるようになり、スピーカーを探すことになります。

 いかにバックロードホーンが低音を強調するとはいえ、12cmのユニットが出す低音は「12cmにしてはすごい」と言うだけの話しになります。

 結局勢いでスピーカーも買うことになるわけです。今までの機器とスピーカーは少し毛色が違います。CDプレイヤーやアンプはつないだ瞬間に違いが分かります。しかし、スピーカーはエージング(ならし)というものが存在し、時間が経たないと音がまともに出ません。

 スピーカーを買い換えたとき、正直な話しオイオイと思う音でした。私が買ったJBL4312Dは癖のあるスピーカーの上にエージング期間が、毎日聞く人でも大体1年は掛かるといわれている物でした。とりあえず最初は慣らすためにと、ホワイトノイズのCDを延々リピートでかけたまま会社に行っていました。

 一週間、一ヶ月と続けると、本当に音が変わっていく様を目の当たりにできて楽しかった。毎日音が変わっていくのです。高音が耳についたり、こもったりと音が暴れながらどんどんとまとまっていきました。まるで練習をするかのように。

 shin16もたまに聞きに来ていましたが、「最初の音を聞いたときは、高い物を買ったのにこんな音かと思って正直な感想が言えなかった」と言っていたぐらい音が違いました。

 購入して8ヶ月が経ち、音は大分安定しました。たまに遊びに来る面々には、いつも「何かCDを持ってきてよ」とお願いしています。色々なソースを聞くのがたまらなく楽しい。そして、持ってきた人達もいつもと違うCDの音色を楽しんでくれているようです。

 今のところ全ての機器のバランスが取れているので、物欲は収まりました。これ以上を求めるならば収入が10倍以上にならないと無理でしょう。でもまぁそれはおいても今の機器でもっと色々と遊べることがあると思うのです。

 機器よりも、ソースが沢山欲しいとおもうこの頃です。何か面白い音楽があればまた教えてください。

今日の一枚
どっかのサイトを見ていて格好いいなぁと思った写真の真似。
なかなか格好良くは取れないな。オレンジだけカラーにするんだったかなぁ。