オーディオ

 bangさんに勧められたり、あきれられたり、感心されたりしながら我が家のオーディオは進化してきました。

 昔から、shin16が自作スピーカーを作ったりしていたので、そのおこぼれを頂戴してしょぼいなりのオーディオライフを送っていました。機器による違いをそれほど感じていなかったんですけどね最初は。

 まだmp3も無い頃、鈴木祥子のCDをランダムで沢山聞きたいという野望から、マランツのCD5枚チェンジャーを買いました。マランツは知る人ぞ知る高級オーディオ機器メーカーですが、こんな安っぽい機器を出していたのかと逆に驚かれるぐらいです。

 ケンウッドの2万ぐらいのアンプ+マランツの2万のCD5枚チェンジャー、それとゴミ捨て場に捨ててあったパナソニックのスピーカーというのが私のオーディオセットでした。

 当時うちの下宿で麻雀をするときは、常に鈴木祥子がバックで鳴っていて、洗脳されるとクレームをよくもらったものです。

 ある意味、どつぼにはまった切っ掛けは、shin16が中学生の頃に自作したというバックロードホーンタイプのスピーカーでした。普通の中学生はあんなものを自作しないとは思うのですが、それが彼の押入の中に延々と眠っていたわけです。私と会うために。

 変わった形状のスピーカーで、箱のサイズは90cmx45cmx15cmと、かまぼこの板を大きくしたような形でユニットは直径が12cmしかありません。バックロードホーンという名の通り、箱の中が長いホーン型になっていて小さいユニットでも低音が出るというものでした。

 shin16が「あんたの部屋広いから使えるなら使ってよ」ということで有り難く頂戴してきました。市販のスピーカーとは全く違う音になりとても感動したのを覚えています。まるで膜が一枚取れたようでした。

 bangにその話をしたら「アンプを変えればもっと変わるよ」といわれましたが、金銭的にも彼のいうものはとてつもなく高価に思えましたし、今の変化で十分劇的だったのでその時はお茶を濁した程度でした。

 そんなある日、bangが遊びに来た際に「これ一回使って見ろよ」とYAMAHAのAVアンプを置いて帰りました。今から思うとこれが巧妙な罠でした。もうはっきり言って全くの別世界でした。アンプというものでこれほど音が変わるとは、今から思えば当たり前の話しですが、当時の自分にとってはとてもショッキングな出来事でした。

 「CDプレイヤーの音が終わってるから、それ変えるだけでもかなり変わるよ」とbangにぼそっと言われました、危険な罠です。泥沼にどんどんそうやってはまっていくわけです。

 当時、syuuがStaxのヘッドフォン(超高級ヘッドフォン)と合わせてCDプレイヤーを買ったという話しを聞きました。それは3万ぐらいで5〜8万クラスの音が出るというふれこみの機器で、実際にweb上での評判も良いものでした。

 個人的な所感で、デジタル音源の再生機器なのになんで音が変わるのだと思っていたのですが、その考えは大きく間違っていました。結局そのことを知るのはその機器を買ってからの話しなのですが、おっかなびっくりながらsyuuの「良いよこれ」という言葉に負けてCECのCD3300を買ってしまいました。

 音の解像度と定位について、このプレイヤーを買って初めて意識しました。CDチェンジャーとそのCDプレイヤーが両方手元に合ったので色々聞き比べてみました。このとき初めてプレイヤーの差もですが、CD自体の出来の善し悪しという物を感じました。音の変化の差が全く違うのです。

 いわゆるpopsがラジカセ向きに作られていると言うことを本当に痛感したわけです。丁度そのプレイヤーを買った頃は私の第一次クラシックブームの頃でした。シルにクラシックのCDを300枚ぐらい借りていたのでそれをむさぼるように聞きました。

 自分の今まで気が付かなかった情報が沢山CDには入っていたことを知りました。新しいプレイヤーで聞くと、オーケストラの音の出所、楽器の数がにじまずにくっきりと表現されます。本当のところここまで変わるとは全く思っていませんでした。

 そして、この変動自体が、まだオーディオという意味では入口にすら達していないことに恐ろしさを感じたりもしたわけです。