ハンドル
このハンドルを使い出して10年近くが経とうとしている。長く使うと、本名と同じぐらいの愛着が出るものだ。インターネット内では本名といっても過言では無いだろう。
元々はZEROだけであった。大学時代いたスト2をやるときのゲームネーム、漫画のタイトルである。神の手を持つ男の話だがまだ連載は続いている。漫画の購入をやめた時に一緒に購入をやめてしまったが続きが読みたい作品でもある。
ZEROの前にAFTERがついたのは、IRCにデビューするときだった。重複ハンドルが許可されない為、後ろに_や数字が付くのを嫌ってこの名前にした。
何故AFTERZEROなのか、ZEROとは別にAFTER-0という漫画もある、それとの掛け合わせである。このハンドルは使われていそうで今のところ競合したことはほとんど無い。
AFTERZEROでぐぐると自分のネットでの活動が赤裸々に出てきて、正直なところビックリする。afterZEROというバンドがあるらしいが、ネット上だと私のほうが知名度が上らしい。検索結果の上位はほぼ私だ。
ということはぐぐれば私の個人情報は、ある程度限定できるということだ。ある意味怖い話しである。mixiを始めたことによって、リアル友人とのつながりもある程度見え隠れするようになった。
いままではネット中とリアルは、ある程度壁があったのだけれど垣根を意識的に消した。これはやってからかなり危険であることも気が付いた。まぁ今更後の祭りだけれど。
mixiというつながりが明示される環境の中に身を置くと、自分一人が気を付けてもある程度の個人情報は周りから漏れていくことになる。例えば紹介文で同期とか関係を明示されるとそれだけでかなりの情報を手に入れることが出来る。
それに気が付いてから、mixiに関してはプロフィール及び、コミュニティに関して情報を開示することをやめた。これは自己防衛的な手段でなく、周りの人の情報が私から漏れないようにとの配慮である。
私はある程度、自分に関しての情報が漏れることは覚悟しているからかまわない。ただ他の人の考えは色々だろうから、その辺り最近マイミクさんが増えたので変更してみた。
あまりネットをしない人にとって、本名を知らない人間と10年近く親交があったり、家によんだりする事は信じられない事らしい。相手のある程度コアな情報を持つことは、行動の担保になるので当然なのかも知れない。
ただ私はその辺りのことは気休め程度だと思うのだ。氏素性とつき合いたい訳ではないので、ラベルとしての機能をもつ名前という意味ではハンドルでも氏名でも変わらない。ようは一意にその人を限定できれば良い。まぁそういう人ばかりでは無いだろう、だからある程度の相手に担保を与える意味で私は家に呼ぶのである。
一つ面白いと思うのは、AFTERZEROというハンドルに対して、さらにアフロという「あざな」が付いていることだ。これはそもそもAFTERZERO自体が長ったらしいという事にも起因するのだけれど、前後二文字ずつとってAFROと短縮したPKKKのセンスは今から振り返ってもスバラシイと思う。
最近実際に会う人間に、本名とハンドルで呼ばれる割合を比べると、むしろアフロさんと呼ぶ人の方が多いかもしれない。
ネットは時間の密度が濃いと言われている。主に会話がコミュニケーションの主眼となるために、実際に会っているよりも交換している情報量が多い事が多い。現実とはひどくバランスの違うコミュニケーションなのは確かだ。そのために短期間で好き嫌いがはっきりする場合が多い。色々な意味で結論が加速されるのだろう。
たぶん、このハンドルを使った交流は一過的なものではなく、これから一生続いていくだろうと思っている。
人によるのだろうけれど、これほど引きこもっていて新たに人にであることも珍しいと思う。現状は人に会う引きこもりという非常に珍しい状態になっている。会いに来てくれる人がいることは有り難いことだ。