おしえること

 仕事柄も、プライベートでも何かを教えてくれと言われることがよくある。

 設定方法であったり囲碁であったり内容は色々だけれど自分が知っていることをうまく伝えることは本当に難しいと思う。

 相手の知識レベルを見極めた上で、必要な情報を過不足無く与えるのは相手を観察することが必要だとおもう。一対多の伝達の難しさはそこにあるのだろう。

 経験上、言葉をうまくつかうとわかった気分にさせることのほうが簡単だ。プレゼンなどで相手が納得してくれるというのは6割ぐらいは気持ちだけの問題だ。

 気持ちだけの理解だとその場は納得していても、結局後から考えるとよくわからないということが多々ある。それを本質的な理解に変えるためには、こちらの話を聞いてもらうと言うよりも相手に話したり実行してもらう必要がある。

 わかる人間が説明するとき、物事は基本的に一本道で話される。わかったような気分になるのは実際は沢山の枝道があるにもかかわらず表面上は見えないためだ。まるで間違った選択肢は無いかのような錯覚に陥る。

 実際に自分でそれを実行しようとしたとき、本当は目の前に選択肢が沢山用意されていることに気がつく。大筋だけおぼえていると当然細かいディテールはあやふやだ、そして選択肢はえてして正解と類似しているものが沢山用意されている。

 なぜその選択肢を選ぶのかがわかっていないと、類似品と正解の区別をうまくつけることができない。

 選択する理由を理解するためには、エッセンスのみを抽出してシチュエーションごとに学習することが必要だ。問題をある程度明確にしそれについて考えてもらう。

 教えるのではなく覚えてもらう。これを実践できるといいなぁと思う。