演奏

 小説というのは楽譜のようなものである。いや、楽譜そのものである。それだけではただの紙の束であり、そこに書かれた音符も弾き方を知らなければただのインクのしみであり、そして弾けたとしてもそれを楽しめるとは限らない。そう。小説とは自分で演奏して楽しむものだ。これが漫画や映画との違いで、これらは人の演奏を楽しむものである。漫画に関しては自分で演奏を楽しむ余地も少しあるのでカラオケといったところだろうか。

 404 blog not found を読んでいたらこんなくだりがあった、すごく納得。

 読みやすさというのは演奏しやすさとすると合点のいくことが多い。難解な譜面を演奏しきったとき感動がうまれるのか徒労に終わるのか読み終わってみないとわからないのが面白い。そして読みやすさが必ずしも楽しい物とも限らない所、それが読書のおもしろさでもあるのだろう。