友達

 先日、うちの母親の友達がアメリカから帰国して京都に住むことになったらしくテレビの据え付けを頼まれて母親と一緒にマンションに行って来た。母親の旧友に直接会うことはなかなか無いので一体どんな人が出てくるんだろうなと結構楽しみだった。

 母親は私の親らしく口から先に生まれてきた系なので、関西系のオバチャンがでてくるんかなと思ったらそれとはまた一風変わった人だった。長い間アメリカにおられたので日本語が逆に不自由になっているぐらい。

 よくしゃべる面白い人だった。六十超えてジーンズであぐらかいて座る人は初めてみたかも。それがよく似合ってるし。はっきりものを言うタイプ、でもすかっとしていて一緒にしゃべっていて面白いタイプの人だった。完全にノリがアメリカだなぁとかホケーっと思っていた。

 まぁ二人そろうと良くしゃべること、と思ってみていた。普段もよくしゃべるがやはり旧友というのは昔に戻れるみたいだ。普段の友達としゃべっているのとどことなく雰囲気は違う。女学生だったころにもどっているんだろうなぁとなんとなしに思えた。無邪気に話し合える相手が居ることはしあわせなんだろうと思う。

 今みたいにメールや携帯があるわけでない時代、学校を出てからバラバラになると特に女性は家をでて嫁ぐ事になるわけで音信不通の事が多いだろう。そんな中で再会してまた一緒に遊べるようになった時は一体どんな気持ちになるんだろうな。

 帰りの車で「ほんまに楽しそうやったね」というと「30年の間があっても一瞬であのころに戻れる友達で本当に楽しいわ」と言っていた。去年は何度か盛岡に行く機会があったその時に久々に集まった面々と昔のよう飲んだときの感覚と似ているんだろうな。

 楽しさだけじゃなく何かを一緒に成し遂げたり苦労した関係はお互いになにか共有しているものがあってそれは時間によってさび付いたりはしない。置いておくとほこりはかぶるかも知れないけれど少し磨いてやればまた光り出すんだろうな。