水だし紅茶


 職場で紅茶を入れるのは手間だという話をしていたが実は水出しであれば手軽に作ることが出来る。

 作り方は簡単で水に適量の茶葉を放り込んで冷蔵庫に一晩放り込めば感性である。テクニックも何もいらない。茶葉の量はお好みだが基本的にはお湯出しと同じでかまわないと思う。

 ただし、だ

 単純な故に全くごまかしが利かない。純粋な茶葉と水の質がもろに出てしまう。そのため安い茶葉や悪い水を使うと飲めた物ではないという欠点がある。一般的に水だし紅茶は熱湯で抽出するときと違い味がまろやかで香りが薄めになるために(水出しは渋味が出にくいという利点がある)香りの強い味のしっかりした茶葉を使うということになっている。

 そのためネットなどで検索するとアールグレイを進める人が結構多い。私も最初大学の研究室でアールグレイを使用して水出し紅茶をつくってみたのだが、別の意味で飲めた物では無かった。

 アールグレイはフレイバーティーになるのだがフレイバーティーは茶葉そのもの香りだけでなくオイル等で香りが人工的に負荷されている。水だし紅茶はあまりにも素直にその香りを抽出してしまうため香りの人工っぽさが鼻についてしょうがなかった。これはアールグレイだけでなくフレーバーティー全般に言えることだと思う。

 これは元々私が人工的なフレイバーティーが好みでないというのもあるのかもしれない。茶葉の質の問題かもしれないが少なくとも100g1000円程度のアールグレイであればほぼどれもアウトだと思って良いと思う。唯一私が試したなかで水出しに耐えたアールグレイは先述のペリーウィンクルで購入したアールグレイのみであった。それは1000円程度だったけれど普通に飲んでも香りがすばらしかったので別物としておこう。(単に私の周りのアールグレイの質が低い可能性は消しきれないけれど)

 結局の所、水だし紅茶はダージリンがいいなぁという結論になった。スリランカ(セイロン)はBOPなので水出しだと味が出過ぎる気がする。アッサムやキーモンは比較的飲めるのではないか好みもあるのだが・・・

 水出しにするもう一つの利点にクリームダウンしないという点が良くあげられる。クリームダウンとは熱湯で抽出した紅茶を氷で冷やしてアイスティーにする場合一気に冷やせないと水色が白く濁ってしまう事をいう。普通の家庭用冷蔵庫で作った氷で一気に冷却することはかなり困難ですし氷が溶けると味が薄くなってしまう欠点もある。そういった点に気を遣わなくても良いのも水出しの利点と言える。

 興味が出た人は一度試してみると良いです。時間はかかりますが・・・