薫陶

 最近自分で色々とやり始めて何をやるにしろ初めてのことが多いわけです。義務的にやっているわけではなく進んで始めた事というのは向上心が当然あります。うまくいかないとき、意味すら分からないことも良くあるわけです。

 自分で実際に体験したり指導を受ける機会はそれほど恵まれるわけではありません。しかし改善はしていきたいということになると学ぶ機会をなるべく増やすようにするしかありません。

 そんなこんなで色々考えて最近ふと気がついたのが今更ながらに見取り稽古の重要性です。一般的に上手の稽古を見ることで自分も勉強しましょうという事なんですがその密度をあげることでシミュレーション的効果を増大させて仮想体験しようというわけです。

 自分なりの勉強法をまとめるために明文化してみたいと思います。

 まず見取り稽古を効果的にするために見るべき内容をはっきりさせないとただ漫然と眺めるだけになります。一つのアプローチとしては自分の問題点を普段からはっきりさせておき同じシチュエーションでのいわゆる上級者の対応を意識的に観察することになります。当たり前といえば当たり前ですが自分の問題を自分自身で明示的に把握しておくということは口で言うほどは簡単ではありません。自分の問題点に関する深い掘り下げがまずは密度をあげる第一歩になりそうです。

 これは全てに通じると思いますが、問題の掘り下げというのは「何事に対しても準備」をしておくということに他ならないわけです。今までの自分の泥縄的な対応が問題視されます。

 もう一つは前述とは逆モーションのアプローチになります。問題を解決するのではなく問題を発見するための見取りです。自分より上手ということは何かの差があるわけです。それは絶対的な行為の積み重ねによるものですから見取る事でかならず自分との違いが見いだせます。その違いの原因を分析しようとする事で多面的なアプローチが可能になるのではないでしょうか。

 これは視点を変えなければ見過ごしてしまう可能性があることと自分自身の正確な像をつかんでいないとそもそも違うこと自体がわからないという非常に難解な物です。これも先ほど述べたとおり、まず自分自身の像を正確につかむ事前準備が必要となります。自分自身の像をより正確に把握することによって微細な差分を見逃す可能性が減るわけです。

 以上の事からまず学習する個々の内容もそうですが全てにおいて意欲的に学習するための準備をしておく必要があることを痛感しました。結局の所、問題意識の無いところに解決手段は存在しえないわけなんですね。正確な問題の発見能力って重要だなぁとまとめてみて改めて思った次第です。