ホシヲクダサイ

 先日、メールで「オリオン座がきれいです。そちらは星が見えますか?」という話をしたら、「あわただしくて最近星なんか見ていないなぁ。ここから星は見えるんかな?」という返事が。

 何となくブルーハーツの『星を下さい』を思い出した。

都会の空に星をください。とてもきれいな星をください。

昔からこの歌が好きだ。中学生の頃良くボーイスカウトで深夜ハイクというのをやっていた。簡単に言うと電車である程度遠くまで行ってそこから歩いて夜中に帰ってくるというイベントだがなかなかハードだ。その時にわざわざ古いカセットレコーダー(ステレオですらない)をもってブルーハーツのアルバムを聴いて歩いていた。田舎のたんぼ道を夜中にブルーハーツをならしながら歩いていた遠い思い出がうかぶ。

 ハイスクール落書きを見ていた頃、ブルーハーツは自分の中で何かもやもやしたものを形として歌ってくれる憧れだった。若気の至りと笑うほど今聞いても色褪せていないように思う。今聞いている音楽に10年後にまた胸を打つ音楽がどれくらいあるだろうか?歌い継ぎたい曲は自分の中にありますか?

 鈴木祥子さんはライブで「いい歌は歌い継ぎたいだから私はカバーを歌います」(言葉はちがうかも趣旨のみ)といって自分の歌をいっさい歌わないカバーのみのライブを開いた。それを聞いたとき「文化ってそういうもんだよなぁ」としみじみ思った。

 著作権が話題になってる最近、権利者は自己の権利を守ろうとする。そこで守りたい物は作品ではなくてすでに商品では無いだろうか?音楽が消費される文化といわれて久しいが歌い継がれたり読み継がれる作品を私たちは後世に残しているのだろうか?