台湾旅記2

猫空


 九分ツアーが終わった後、おタキさんが猫空という場所に行きたいというのでそちらに向かう。天気予報はずっと雨だったのだけれど、幸いなことにここまでは天気は大きくは崩れていない。曇天のなかMRTを乗り継いで猫空へ向かう。猫空は台北の南側にある山奥にあるお茶で有名な場所かつハイキングコースとしても最適な所らしい。おタキさんの友達が是非と紹介していた。動物園までMRTで行った後ロープウェイにのって最終目的地へ向かう。私は知っている人は知っているが高所恐怖症気味なのでロープウェイは極力避けたいがこの際は仕方なかった。ずいぶん昔に函館にいったとき、函館山のロープウェイで上までいったが、あまりに怖くて帰りは歩いて降りようといって同行していたヒールの女性に最後まで恐ろしく非難された苦い思い出が頭に浮かぶ。実際何で無駄に高いところをびゅんびゅん行くのかよく分からないが。

 目的地の猫空は山の中にハイキングコースのように建物が点在している。晴れていれば散歩がてら色々なところに行けただろうが、最初のお寺に向かうあたりでだんだんと雲行きがあやしくなり、ぽつぽつと降り出すような気配がしてくる。そんななか一抹の不安を抱きながらぼちぼちと散歩コースを歩く。道ばたには色々な雰囲気の建物や、朽ち果てて放棄されたような建物も所々みられる。派手な姿のお墓らしきものもあった。

 最初の目的地であるお寺に着く。雲行きはさらに怪しさを増すけれど、お茶の博物館にいってみたいとおタキさんがいう。たどり着いたお寺は初日にいったお寺と違い誰もおらず閑散としていた。途中で道に迷ったらしき西洋人に話しかけられる。慣れた様子でおタキさんが対応するの横目で見ながら雲行きを更に心配する。博物館に向かって歩き出して少ししてから雨がポツリときだして、戻るか進むか迷ったがここまできたからと更に進む。結局博物館の手前でバケツをひっくり返したような雨になり、慌てて非難するような形でそこで時間をつぶす。何だかんだで雨が弱まったタイミングでぼちぼちと岐路につくが、結局ロープウェイは運行中止の看板を出して止まっていた。
 仕方なく、バスで岐路につくが素晴らしく混んでいる上につり革もなく悪路で私は車酔いで大ダメージを受ける。雨で濡れた靴、揺れる車とちょっと何かに酔ったようだ。そのままホテルで紹介された足ツボマッサージにいってすさまじく強烈にイタイマッサージを受けておタキさんと二人でもだえた。次の日も足を触るとイタイぐらいだった。「ウチハリラクゼーションジャナクチリョウネ」というせりふを信じたが、実際どれくらい効果があったかは謎だ。

故宮博物院と西門


 三日目はおタキさんが是非行きたかったという故宮博物院へ。中国の秘宝が色々と展示されている所だが、さすがに有名観光スポットだけあってツアー客で溢れていた。当日は雨で建物を外からゆっくり見ることはしなかった。庭園なんかもあったようだけれど、結局カメラは使わずじまいで少しもったいない事をしたかもしれない。私としては見てみたい象牙細工と、自分の足が止まる書をみれたので満足だった。
 故宮博物院から帰った後、西門のあたりをぶらつくことにする。このあたりは日本で言う原宿のような場所で色々なあやしげな場所も多い。ファッションビルの何回かに日本のフィギュアが何店舗かで山のように売られていた。夕方テレビのチャンネルをまわすとドラえもんとワンピースをやっていたところをみても日本のアニメは人気らしい。ちびまる子ちゃんあたりも有名らしい。

 西門からホテルのあたりに近づくにつれて、若者向けの町並みから少し怪しさや小汚さがあるような路地が増えていく。その一家に市場通りらしきものがあって興味本位で市場の中を歩く。野菜や果物などが沢山売られていて、いくつかお総菜らしきものも目にした。私が撮影しているあいだに、おタキさんはいつの間にかマンゴーを試食していた。オバチャンからもらったマンゴーはとても甘くて美味しかったので、一つ丸ごともらってその場で切ってもらって食べながら市場を歩いた。生マンゴーをそのまま食べたのは初めてだったけれどとても甘くて美味しかった。

帰りの飛行機で

 今まで漫画などではよく見たけれど「機内で気分が悪くなったお客様がおられます、お医者さまもしくは医療関係の方はおられませんか?」という問いかけを本当に目にするとは思わなかった。しかも、日本語だった。前の席の女性が痙攣をおこしながら貧血を起こしたらしい。目の前が大騒ぎだったんだけれど、貧血だけだったので寝ていたら直ったので大事に至らなかったけれど、これが命に関わることだったら目の前だっただけに寝覚めがわるかっただろうからよかった。