台湾旅記1

偏見とか人形とか

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 今年のGWは2〜9日という珍しく長い休みが取れた。おタキさんも合わせて有給をとってくれたので世間でいうGWから少しずらして台湾に旅行へ行ってきた。以前から一度いってみたいと思っていたのでいけてとても嬉しい。そもそも今まで全く海外に行ったことがない人間が1年の間に2回も行くなんて少し想像もしていなかった。
 偏見なんだろうけれど、旅行会社で航空会社を見たときチャイナエアラインという文字から不安を覚えた。マイレージに提携しているところが良かったという別の事情があったにしろ私の中にチャイナという文字になにか負の感覚があった。実際まわりに散々脅されたのもあったのだけれど。(出立直前に飛行場でたまたま撮ったという旅客機の事故写真をみせられたりした)
 結局乗ってみれば別段トルコ行きと変わるところもなく、ご飯もそれなりに美味しく頂いたので出発前の杞憂は結局杞憂のまま終わる。これが運の良いことなのか、それともトラブルにあうことが運の悪いことなのかはよく分からない。
 台湾につくが、トルコのときのような違和感を覚えない。建物もどちらかといえば日本に近く台湾人や中国人はぱっとみが日本人と区別がつかない。そのうえ周りは漢字だらけで元々親日なだけあって日本語が(ただしあやしい)そこら中に溢れているからアウェイ感がそれほど無いのだろう。現地のガイドさんを探しているとデカイ頭があって何かとおもったらフリーWIFIの案内用の人形だった。

初台湾


 ホテルに向かう道中で、原チャリの多さに驚愕する。車と原チャリの割合が1:1ぐらいで、主要道路の歩道沿いには所狭しとずらずら原チャリが駐車されている。町並みは思っていたよりも煤けている印象を受けた。日本の80年代をそのまま風化させたような何か哀愁が漂うところというのが台北にたいする第一印象だった。町並みの中には見慣れた看板が溢れていた、マクドナルド、ケンタッキー、セブンイレブンファミリーマートさらには吉野家や和民まで。道中に聞いた話だと台湾のデパートといえば三越とそごうが有名だそうだ。寿司なんていう文字も結構踊っていてますますアウェイ感が薄れていく。トルコ旅行はGX100が結婚式に故障していたため、急遽買ったカメラで記録写真は撮っていたけれど、遊びとしての撮影はできなかったので今回は色々撮れるとよいなぁとぼんやり考えながら窓の外の風景をカメラに納める。

ブラブラと夜市


 当日はホテルに7時ぐらい着だったので、晩ご飯もかねて夜市(ナイトマーケット日本で言う夜店)に出かける。一番大きな夜市もあったのだけれど、故宮美術館の近くだったので別の日に行けるかもしれないということで、二番目に大きく一番古い夜市に出かけることにした。結局夜市はこの日しか出かけなかったのだけれど。夜市の手前に大きなお寺があった。闇の中にこうこうと光その姿は自分が想像した台湾にとても近かった。赤みがかった提灯の光とむせ返るような線香の香りの中なにかの宗教行事が行われている最中らしく中はとてもにぎわっていた。何のことかはサッパリ分からなかったけれど手だけ合わせて旅の無事を祈ってみた。

 夜市は怪しい盛り上がりを見せていた。何となくだけれど歌舞伎町を思い出すような夜市の門をくぐると何ともいえない臭豆腐の臭いが仄かに香る、食べ物や怪しげな服なんかが売られているマーケット街に突入する。実際日本の天神さんなんかの市と良く似た感じのものなのだろうけれど、これが毎日展開されているとするとなかなかスゴイものだなと思う。私たちが行ったのは平日の夜だったし、決して観光客ばかりでなく地元の人たちも結構居るような感じだった。あやしい買い物には残念ながらあまり興味が無かったので、普段はあまりしない屋台での買い食いを繰り返す。腸詰めや餃子やらチーズの包み焼きなど色々なものを食べたけれど以外とハズレがない。最初にかった胡椒餅は人気とガイドブックにあることもあって熱くて口の中を火傷はしたけれど美味しかった。

イルミネーション真下に見下ろし


 ホテルに帰る前、セブンイレブンで台湾ビールを買ってみる。夜市でビールを意外なことに飲まなかった、というかどこで酒を買うのかイマイチ分からなかったのが原因だが。コンビニの中には見慣れたお菓子類が並んでいて、実際日本から多くそのまま輸入されているようだった。かっぱえびせんのようなもの(これは多分そのものではない、味はおなじだったけれど)もあわせて購入する。
 ホテルの部屋は最上階で20階、窓から絶景を期待したのだけれど、残念ながら夜景は半分だけで半分は汚いビルが見えていて20階の余得はあまり感じられなかった。ガイドを見ると屋上が解放されているようなのでホテルの屋上にいくと、屋上には小さなプールと寝ころべるイスと机がありそこから夜景を楽しめた。幸い他に人はおらず、そこではWIFIも拾えたのでイスに寝転がりながらビールを飲むことにする。ホテルの屋上から見下ろす台北のイルミネーションは綺麗で、ついついiPhoneからPSYSのエンジェルナイトを流しながら夜景を見下ろす。

九分


 今回は基本フリーツアーだったのだけれど、九分はフリーでいくには台北からはずれているので少し厳しいということだったのでオプションツアーに申し込む。前回トルコは完全なフリーツアーだったのだけれど、やはり決められた時間のなかで行動するのはどうも慌ただしい気がした。まぁでも確かに言語が不自由だとツアーしか選択肢がないのだろうなぁ。おタキさん頼みなところは確かにあるのでそれはフリーが良いと私がいうのは筋違いなのかも知れないがそれでもいくならフリーがいい。九分は千と千尋の神隠しの両親が豚になるシーンのモデルになった茶店があるということで観光スポットになっているらしい。一時期は金山があり小香港といわれるぐらいの不夜城だったようだが、掘り尽くされたいま、観光資源で生き残るムラになっているようだ。山と海があるなかなかな所だと思うが、ツアーで行くのはお土産街が中心なので、件の茶店でお茶をしただけで九分観光はほぼ終わったようなものだった。

 それでも何だかんだいって、行き帰りの道のなかで写真を色々撮れたので私的には満足だった。お茶を30分ぐらいかけてゆっくり楽しめたのも良かった。天候はスカッとしていなかったのだけれど、ガイドブックには小雨がよく似合う所とあった。その感覚は何となく分かる気がする。自分が濡れない前提でなら、雨の中茶店でゆっくりお茶をするのは結構落ち着いて良さそうだ。ここも色々なお土産屋や屋台があったのだけれど、あまり興味も持たず物見遊山で眺めて歩いただけに終わった。それでも集合時間時間ギリギリだったのは、やはりツアーは詰め込んでいるんだなと思ってしまう。