両忘

 週末に東福寺であった勉強会に参加する。前から会については聞いていた、今回は知り合いの先生が講師をされるということだったので、無理をいって参加させて頂いた。

 内容は羅漢についてのお話がメインだった。仏教に関しては殆ど興味がなかったので、今まで知識が無かったのだが、今回の公演を聞いて大乗や小乗についても少し理解ができた。会の始めに久しぶりに般若心経を声をだして唱えた。高校時代は毎日のように唱えていたので懐かしい感じがした。般若心経の意味も高校時代授業で習った気がするが、残念ながら殆ど覚えていない。

 話の締めのほうに、「両忘」という言葉が出てきた。禅で使われる用語らしく、本来、世の中の物事すべてが白黒はっきりするわけではなく、すぐに正しい、判断が下せるものではないので、曖昧なこともそのまま受け入れ、ただ精一杯に生きてみましょうという意味らしい。

 兎角二元論にしてしまうことへの自戒を込めて、この言葉を心に刻みたいと思った。選択は本当にしないといけないのか。二元論そのものを俯瞰してパラダイム変換を図ることが可能になればもっと柔軟に生きていける気がする。