神の存在意義

 別に宗教に目覚めた訳じゃありませんが、人は多分「悲しいのは一人でいることじゃなくて一人になること」なのでしょう。このフレーズは美也子さんの歌詞の中で一番印象的なものだ。

 大事なものを失ったときに、同じような日常を過ごしながら何故かその行為そのものを空しく感じたりします。物理的というよりも心理的にそばに有るものが何かないと人は生きていけないのかもしれない。

 信仰というのは結局そのもっともたるものなのでしょう。過酷な世界であればあるほど、生きていくための手段としての信仰が必要となりそれが人のモチベーションとなる。

 逆に言えばある程度以上の最低水準が満たされると、そもそも代償行為を必要とするほどストレスがなくなる。いわゆる富んで堕落するといわれるような状態になるのだろう。

 すべての富や生命がなくなる可能性があると考えると、最終的に皆が迎える死というものに対する絶対的な保険として信仰をもっていることというのは大きな保険になるのだろうなぁと思う。漫画「アフター0」で神がいないことを科学的に証明するとどうなるかという話があった。人々は絶望して世界は大混乱に陥るという話なんだけれど、それはあながち間違っていないだろう。

 自分はいま何かと共にあると感じること、それが人にとって一番幸せなことなのかもしれない。