こころの整地

 最近、やろうとおもっていたけれど出来なかったことが片づくことが多くなった。問題の認知から行動に移すフェーズは思っているよりも大変だ。簡単なことは時間があるときにと考えて手に付かないし、難しいことは今は無理だと後回しにしてしまう。

 目に見えていて実行に移せないことは、個々の単位では些細だが全体像をよく見てみれば相当な量になっている。様々な事を困難にしていることは、実は単純なものの組合せであってひとつひとつはそれほど大変なことで無い場合が多い。

 気付きを行動に移すことは、こころを整地していくことに似ている。見えているけれど、到達できない間の道のりをどれだけ平坦に工事していくかだ。実距離的に近いことでも、間の道が険しいと本人が思っているより出来ないことだらけなのだ。

 この実距離と、道の険しさの錯覚が「自分はやればできる」という錯覚を起こす。様々な道を整地し、実際に歩いてきた人達は距離ではなく、道のりがどれぐらいかが分かる。そして、その道のりを歩きぬく術を知っている。

 行為そのものは簡単なものでも、行動と心理の齟齬が大きいと人は実行できないものなのだ。一般化された行為でも、誰でも等しくできるものではない。それは単純な技術の問題ではなくこころの問題で。

 ということは、一般的な自分のスキルを上げると共に、こころの整地を行って行動と心理の齟齬がなるべく無くなるように意識しないと色々な事がなかなか結果に結びつかない。

 重いものを持ち上げるのに筋力を鍛えることが必要なように、思ったことを行動に移すためには心のトレーニングが必要だ。

 私はそういった面で、こころの中が本当にボコボコの丘陵地のようなものだ。それを整地していくには、結局地道に近いところから順番に馴らしていくしか仕方がない。

 思ったことをすぐに行動に結びつけるためのトレーニングって一体どうすれば良いんだろう。今のところ原始的に、思いつきをすべてメモするようにして、出来るだけ後回しにせずに取り組むぐらいしか思いつかない。