展望

 仕事の合間に、取引先の社長とお茶をしていました。「ものの分からない人と一緒に仕事をするのは本当に疲れるわ」とボソッと言われました。「そんなこと言うてはったら、私と7年も仕事できないでしょう」と笑いながら返事をしておきました。

 私が今の会社に来る前からの取引先なので、社長も私のことを色々とご存じです。「○○君(私)は目の前の仕事はちゃんとこなすけど、もっとちゃんと先の展望をもって行動したほうが良いよ」とその後いわれてしまいました。

 そのあとに更に「野心までは持たなくても良いけど展望ぐらいはもったほうが良いよ、まぁでもそれを持ってないから君は良いのかもな、ギラギラしていなくて」とも。

 「今は良いでしょうが、将来困りそうですね。今のようなくらしはその日暮らしですから」と笑いながら言っていると「いや、たぶんそれは大丈夫だと思うよ。意外と何とかなるもので、本人が困っていると思ってなければ困っていないからね」確かに自分はあんまり気にしないかも。

 「とりあえず今はお金は全くないですが、まだ人は周りから離れて行っているわけではなくて逆に増えているのでその間は生きていけると思っています」と喋っていました。

 よく仙人にでもなりたいのかと聞かれますが、まぁ心理的には似たようなものかも知れません。自分の今手の届く範囲以上のことにそれほど興味はありませんから。

 そう考えると、大きい野望や展望とは本当にとんと無縁だなぁと実感します。昔から本当に目先の事を追って生きてきたように思う。それがその場しのぎがどんどん上手くなっていく、後へ後へ臭いものは蓋をして隅へ隅へやっていく行為につながるわけですが。

 最後に隅が無くなったとき一体どうなるんでしょうね。