堕ちていく過程

 最近すこし金銭的な余裕が出来たので、最低限の投資運用をしようかと思い証券会社の口座を開いた。投資を始めようとすると、やはり妄想はとどまりを知らなくなる。自戒をこめて心の動きをまとめてみたい。

 もともとは、短期的なデイトレードなどはするつもりはなく、ファンダメンタル分析に基づく中長期の投資をするつもりだった。運用面だけでなく、ある程度会社の財務状況や世の中の状況を勉強することを主眼に起きたかったからだ。投機は私には向いていないのは分かり切っていたから。

 基本的にギャンブルには私は向いていない。それは競馬などでも身に染みて分かっている。学生時代に偶然2回ほど大勝ちしただけであとは酷いものだ。5年前にsakusakuにならって競馬はやっていたけれど全然話しにならなかった。大体の仕組みを考えると自分では勝てないと痛感した。

 競馬に関して思ったのは、元々控除があるギャンブルは基本的に参加者は最初から負けている。ゼロサムですらなく少なくなった原資を奪い合うわけだ。ということは基本的に情報量で差がある状態にならないと勝つことは難しい。それは結局、オッズ(人気)と実際の実力とのネジレが無ければ競馬は当てても儲からないということだ。その大勢の実力の読み違いによって期待値よりも配当が上回る状態になって初めて勝てるゲームになる。それを察知するためには相当な知識が必要だと思う。少なくとも私にはそこまではできないと思ってキッパリやめた。

 そういう意味では、当日の出来高で競うデイトレードなんかも競馬と同じ理屈になる。短期的な売買はゼロサムなので社会的な意義も低い。そもそもの株式の意義である企業の市場での資金調達という面を考えると疑問が多い。しかるべき企業に、必要な資金を投資することによって会社の成長によって利益を得るのが本来だろうといういみで、中長期にやはりすべきだろうなと思う。

 回りにデイトレードで利回り的に100%代の人間も何人かいる。そういう人達と話していると自分もそうできると錯覚してしまう。でもそれは大抵錯覚で根拠がない。搾取される側に回るだろう。それはそれで勉強だと思うこともできるのだけれど、自分は今回市場に投資することで一体何をしたかったのかを見失わないようにしたい。

 sakusakuやおたきさんをして「あふろさんは我慢できない子」と言われている。そういう意味で今回のことは自分が目先の誘惑に負けずに何かを続けられるかという面でも良い修行かなと思う。まぁどうなるかは分からないけどね。もしかしたらこれが堕ちる切っ掛けかもしれないな。